エフェクターの種類と選び方
エフェクターとは、ギターとアンプの間に繋ぎ、サウンドを変化させる道具です。サウンドはピッキングやアンプでも変化しますが、劇的に変化させるにはエフェクターが必要になります。
エフェクターの種類
エフェクターには、音を歪ませるものや残響音を加えるものなど、様々な種類が存在します。ここでは代表的なエフェクターを紹介するので、1つずつ見ていきましょう。
歪み系
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軽めに歪むサウンドが特徴的なエフェクター。自然な歪みなので、どんなジャンルでも使えます。
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オーバードライブよりも派手に歪むエフェクター。ハードロックやヘヴィメタルでよく使われます。
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荒々しいサウンドが特徴的なエフェクター。機種によっては音程が分かりにくくなるほど歪むものも存在する。
モジュレーション系
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音を揺らすことで、空間的な広がりを作るエフェクター。クリーントーンでのアルペジオやカッティングなどで使われることが多い。
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音に独特のうねりを与えるエフェクター。歪み系やディレイなどに比べるとマイナー寄りのエフェクターですが、うまく使えば独創的なサウンドが作れる。
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周期的に音量を上下させ、音が揺れてるような効果を与えるエフェクター。音量を変化させるだけなので、ゆったりとしたフレーズに使い、リズムを出す使い方が一般的。
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音を強烈にうねらせるエフェクター。フランジャーは歪み系と合わせることでジェットサウンドを生み出せます。掛け続けるよりも部分的に使われることが多い。
空間系
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実音に遅らせた音を混ぜるエフェクター。ショートディレイで音に厚みを持たせたりロングディレイでやまびこ効果を生み出したりと、多彩な音作りが可能です。
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ギターサウンドに残響を加えるエフェクター。リバーブは様々な響きかたを再現できるので、自宅に居ながら大きなホールで演奏している感を出すことができます。
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サウンドを録音してループ再生してくれるエフェクター。音を何重にも重ねることができるので、1人でバンドサウンドを作ることもできます。
ダイナミックス系
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ギターの音量レベルを揃えるエフェクター。クリーントーンでのアルペジオやカッティングで使われることが多い。
フィルター系
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ペダルの踏み加減で周波数帯を変化させるエフェクター。ワウペダルには一定周期でエフェクトが自動でかかるオートワウも存在します。
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特定の周波数帯域をブーストあるいはカットするエフェクター。EQはサウンドに大きな影響は与えませんが、音抜けの良くしたり、他楽器とぶつかる音域をカットしたりすることができます。
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無駄なノイズをカットしてくれるエフェクター。ノイズ除去系エフェクターは、これ以外にもノイズゲートやノイズサプレッサーというものもあります。
ピッチシフト系
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原音に対して1オクターブまたは2オクターブ下の音を重ねるエフェクター。オクターブ下の音が加わるので、厚みのあるサウンドになります。
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音程を自由に変化させられるエフェクター。5度上や4度下でハモらせたりピッチを少しズラしたりして、音に厚みを持たせることができます。
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ペダルを踏んで音程を変化させるエフェクター。音程はペダルの踏み具合によって変化するので、飛び道具として使われることが多い。
その他
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ペダル1つで音色を切り替えるエフェクター。演奏中に歪んだサウンドからクリーンなサウンドへ切り替えが容易になります。
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足元に置いて使用するライブ向けのチューナー。あらかじめエフェクターボードに組み込むことで気軽にチューニングできるようになります。
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複数のエフェクターに電源を供給するアイテム。エフェクターを1個使用するだけならば、電池やアダプターでも良いですが、複数個使う場合は必ず用意したい道具です。
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ペダルでボリュームを操作するアイテム。演奏中に音量を変化させたり演奏停止中のノイズをカットしたりするときに使います。
コンパクトエフェクターとマルチエフェクター
エフェクターには、1つだけの機能を持つコンパクトエフェクターと様々なエフェクターを搭載させたマルチエフェクターがあります。
コンパクトエフェクター
1つのエフェクターが搭載されたタイプ。エフェクト効果は1種類しかありませんが、直感的に操作できるので、使い方は理解しやすい。
直感的に操作できるので、使い方が理解しやすい
エフェクターのON/OFFが容易である
たくさんあると持ち運びが大変である
各パラメーターの設定は、保存できない
エフェクトごとに買い揃える必要がある
複数あると、電源の確保が大変である
マルチエフェクター
多数のエフェクターが搭載されたタイプ。価格はコンパクトよりも高い場合が多いですが、エフェクター数を考えるとコストパフォーマンスが良いです。
しかし、多機能すぎるあまり、使いこなすのが難しいという欠点もあります。
電源は1つでOKである
音の切り替えは容易に行える
作った音は保存できる
エフェクターのON/OFFが難しい
サイズが大きいので、持ち運びは不便である
デジタルっぽさを感じる
初めてのエフェクター選び
イチから音作りを学ぶ場合は、直感的に操作できる歪み系のコンパクトエフェクターがおすすめです。エフェクト数ではマルチに劣りますが、使い勝手が良く、機能も理解しやすいでしょう。
豊富なエフェクト数を誇るマルチは、音作りをするうえでは魅力的です。しかし、操作性や音作りの分かりにくさを考えると、1台目には適しません。
1台目におすすめな歪み系エフェクター
1台目は定番のエフェクターがおすすめです。定番なものは良いから定番になっています。
オーバードライブの定番機。数多くのミュージシャンが愛用したことでも有名です。暖かみのあるマイルドなサウンドが特徴的で、どんな曲にも馴染むエフェクターでしょう。
多くのロングセラーを出し続けるBOSSのNEWオーバードライブエフェクター。サウンドはやや硬い印象を受けますが、綺麗な歪みでノイズも少なめです。ハイ&ローで音質調整可能なので、好みのサウンドが作れます。
ディストーションの定番機である「DS-1」の後継機種。サウンドはよく歪みますが、透明感があってノイズも少なめ。ハイ&ローで音質調整可能なので、好みのサウンドが作れるでしょう。
まとめ
今回はエフェクターについて説明しました。エフェクターも種類が豊富なので、初めは色々と戸惑うこともあるかもしれません。
イチから音作りを学ぶ場合は、オーバードライブ→ディレイ→コーラスのように1つずつ触ってみて、使いかたを知っていくのが一番の近道になるでしょう。