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2.イベントグラフペインの見方_Domino


イベントグラフペインはMIDIデータを細かく編集できるエリアです。音量やピッチ、モジュレーションなどを視覚的に操作し、自然な抑揚や躍動感を演奏に加えることができます。

そこでこの記事では、イベントグラフペインの各機能の使い方を詳しく説明し、コントロールチェンジの効果についても順に紹介します。

 

この記事を読めば、イベントグラフペインの使い方が分かるようになるので、楽曲に変化や表現力を加えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

イベントグラフペインの見方

イベントグラフペインは、パラメータの編集方法を選択する編集ツールと、編集するパラメータを選ぶパラメータツールバーで構成されています。

 

それでは、編集ツールの各機能から順に見ていきましょう。

編集ツール


編集ツールはパラメータの編集方法を選択するエリアです。ここでは、直線ツールや消しゴムツールなど、各パラメータを編集するために必要な機能が数多く用意されています。

 

フリーハンド


「フリーハンド」は自由に線を描くためのツールです。マウスを使って直感的にカーブや変化を書き加えられるため、細かなニュアンスを簡単に表現できます。

複雑なパラメータの変化もスムーズに反映させることが可能です。

 

直線


「直線」は真っすぐな線を描くためのツールです。マウスで始点と終点を指定するだけで、パラメータを直線的に変化させることができます。

音量やピッチ、パンなどを均等に変化させたいときに役立ちます。

 

ゆるやかな曲線


「ゆるやかな曲線」は自然なカーブを描くためのツールです。直線よりもパラメータが滑らかに変化するため、自然な動きを表現する際に役立ちます。

音量やピッチをはじめ、滑らかな変化を求められる場面で幅広く活用できます。

 

はやい曲線


「はやい曲線」は急なカーブを描くためのツールです。直線では再現が難しい急激な変化をパラメータに加えられるため、鋭いアクセントや劇的な動きが求められる場面で活用できます。

音量を瞬時に上げ下げして緊張感を作り出したり、ピッチを急激に変化させてメリハリを加えることも可能です。

 

S字曲線


「S字曲線」は滑らかに変化するS字カーブを描くためのツールです。緩やかな部分と急激な部分を組み合わせることで、単調な動きに抑揚を加えられます。

音量やピッチの変化に自然な緩急を付けたり、楽曲に表情を持たせたい場面で活用できます。

 

ランダム


「ランダム」は不規則な変化を描くためのツールです。指定した範囲内でランダムな動きを生成し、機械的なデータにばらつきや揺らぎを加えます。

音量やピッチなどをランダムに変化させ、表現に動きを加えたいときに役立ちます。

 

アンカーの表示切り替え


「アンカーの表示切り替え」は、イベントグラフペイン内で制御点(アンカー)を表示または非表示にする機能です。アンカーを表示すると、パラメータの微調整が簡単に行えます。

表示されたアンカーは、クリックしてドラッグするだけで自由に移動できます。

 

新しくアンカーを追加する場合は、配置したい位置をクリックして追加します。

 

不要になったアンカーは、ダブルクリックするだけで簡単に削除できます。

 

選択


「選択」は編集したい範囲を指定するためのツールです。このツールを使うと、選択した範囲をコピーして貼り付けたり、まとめて移動したりできます。

 

選択ツールでコピーして貼り付ける

選択した範囲をコピーして貼り付ける場合は、コピーしたい範囲を選択し、右クリックメニューから「コピー」を選びます(PCキーボードの「Ctrl」+「C」でもコピー可能)。

 

コピーを貼り付けたい場所を選択し、右クリックメニューから「貼り付け」を選びましょう(PCキーボードの「Ctrl」+「V」でも貼り付け可能)。

 

選択した範囲にコピーが貼り付けられました。

 

選択ツールでまとめて移動する

選択した範囲をまとめて移動する場合は、移動したい範囲を選択します。

 

選択した範囲を左クリックし、そのまま左右にドラッグするとまとめて移動できます。

 

ちなみに、PCキーボードの「Ctrl」を押しながら左右にドラッグすると、選択範囲のコピーが作れます。

 

選択ツールでまとめて削除する

選択した範囲をまとめて削除する場合は、削除したい範囲を選択し、PCキーボードの「Delete」キーを押します(右クリックメニューでも削除可能)。

 

選択範囲へ直線・曲線を入力


「選択範囲へ直線・曲線を入力」は、選択した範囲に直線や曲線を一括で描画する機能です。この機能を使うと、直線や曲線を簡単に追加できます。

直線や曲線を一括で入力する場合は、入力したい範囲を選択し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックします。

 

「選択範囲へ直線・曲線を入力」の設定画面が表示されました。

 

「S.Value」は開始位置を設定するパラメータです。開始位置はグラフ上の矢印を上下に動かして調整することもできます。

 

「E.Value」は終了位置を設定するパラメータです。終了位置もグラフ上の矢印を上下に動かして調整することができます。

 

「Step」は直線や曲線をどれくらいの細かさで描画するかを設定するパラメータです。

 

Step値は小さいほど線が滑らかになり、大きいほど段階的な線になります。

 

「登録済みの式」は直線や曲線のパターンを選択できる場所です。

 

パターンを選ぶだけで、直線や曲線を簡単に描くことができます。

 

残り3つのパラメータは、ピッチベンドでのみ表示される項目になっています。

 

「S.P.B.Key」と「E.P.B.Key」は、開始位置と終了位置を半音単位で指定するパラメータです。

 

「P.B.Range」は「S.P.B.Key」と「E.P.B.Key」で設定した音程に対して、ピッチベンドがどれだけ音程を変化させるかを決めるパラメータです。

 

「P.B.Range」を「12」に設定した場合は、「E.P.B.Key」を「2」にすると、+2半音に対応するMIDI値「1365」が自動的に「E.Value」に入力されます。

 

「P.B.Range」を「2」に設定した場合は、「E.P.B.Key」を「2」にすると、+2半音に対応するMIDI値「8191」が自動的に「E.Value」に入力されます。

 

消しゴム


「消しゴム」はイベントグラフ内のパラメータを削除するためのツールです。このツールを使うと、不要なパラメータをまとめて削除できます。

パラメータを消す場合は、不要な範囲をドラッグして囲みます。

 

パラメータツールバー


パラメータツールバーは編集するパラメータを選択するエリアです。ここでは、ベロシティやピッチベンドなど、さまざまなパラメータに切り替えることができます。

 

パラメータ切り替えメニュー


パラメータ切り替えメニューは、編集したいパラメータを選択する場所です。このメニューを使うと、ベロシティやパンなど、さまざまなパラメータに切り替えることができます。

ただし、よく使うパラメータは専用のアイコンが用意されているため、このメニューを使うのは、アイコンが割り当てられていないパラメータを表示するときが主になります。

 

ベロシティ


ベロシティはMIDIノートの音の強さを調整するパラメータです。ノートごとにベロシティを設定することで、演奏に自然な強弱が生まれ、表情豊かでダイナミックな演奏になります。

 

ベロシティ設定:有りと無しの比較

ベロシティ設定の有無を比較した音源です。最初の音源はベロシティを設定していないため、強弱がなく平坦な音になっています。

次の音源はベロシティを設定しているため、音に強弱がつき、表情豊かな音色になっています。

 

ピッチベンド


ピッチベンドはMIDIノートの音程を変化させるパラメータです。音程を滑らかに上下させることで、ギターや弦楽器のような自然な音程変化を表現できます。

ピッチベンドの変化幅はベンドレンジの設定値によって変わります。初期設定では「ベンドレンジ=12」になっているため、音程を最大で1オクターブ上下に動かせます。

 

ピッチベンド設定:有りと無しの比較

ピッチベンド設定の有無を比較した音源です。最初の音源はピッチベンドを設定していないため、音程が変化せず、単調な音になっています。

次の音源はピッチベンドを設定しているため、音程が滑らかに上下し、自然な音程変化や表現が加わっています。

 

モジュレーション


モジュレーションはMIDIノートにビブラートや音の揺らぎを加えるパラメータです。音に周期的な変化や動きを与えることで、演奏に抑揚や音の表情が生まれます。

 

モジュレーション設定:有りと無しの比較

モジュレーション設定の有無を比較した音源です。最初の音源はモジュレーションを設定していないため、音に揺らぎがなく、単調で変化の乏しい音色になっています。

次の音源はモジュレーションを設定しているため、ビブラートがかかり、音に抑揚が加わって表情豊かな音色に変化しています。

 

エクスプレッション


エクスプレッションは音量を細かく変化させるパラメータです。この機能を使うと、メロディに自然な強弱が生まれ、表情豊かな演奏が可能になります。

 

エクスプレッション設定:有りと無しの比較

エクスプレッション設定の有無を比較した音源です。最初の音源はエクスプレッションを設定していないため、音量が一定で単調な音になっています。

次の音源はエクスプレッションを設定しているため、音量が徐々に小さくなり、滑らかな減衰が表現されています。

 

ボリューム


ボリュームは音量を調整するパラメータです。音の大きさを調整し、各トラックや楽器のバランスを整えるために使用します。

 

ボリューム設定:有りと無しの比較

ボリューム設定の有無を比較した音源です。最初の音源はボリュームを設定していないため、音量は初期値の「100」で再生されます。

次の音源はボリュームを「80」に設定しているため、音量は少し小さくなっています。

 

パン


パンは音の定位を調整するパラメータです。音の位置を左右に動かすことで、音の聞こえ方や定位感をコントロールできます。

 

パン設定:有りと無しの比較

パン設定の有無を比較した音源です。最初の音源はパンを設定していないため、音が左右同じバランスで鳴っています。

次の音源はパンを右に振っているため、音が右側から聞こえています。

 

ホールドペダル


ホールドペダルは音が鳴り続ける時間を制御するパラメータです。これを設定すると、音が途切れずに伸び続け、サスティンペダルを踏んだような効果が得られます。

ホールドベダルをオンにする場合は「127」、オフにする場合は「0」に設定します。

 

ホールドペダル設定:有りと無しの比較

ホールドペダル設定の有無を比較した音源です。最初の音源はホールドペダルをオフにしているため、音がノートの長さで切れます。

次の音源はホールドペダルをオンにしているため、ノートが終わっても音が持続します。

 

カットオフ


カットオフは音の明るさを調整するパラメータです。フィルターで高い周波数を制限し、音色を暗くしたり、こもらせたりできます。

カットオフの値を「127」に設定すると、すべての音が通り、明るい音色になります。値を下げると、高音域がカットされて、暗くこもった音色に変わります。

 

ただし、Dominoで使用する「Microsoft GS Wavetable SW Synth」は、カットオフに対応していません。この機能を使う場合は、外部音源やソフトシンセの追加が必要になります。

 

「Microsoft GS Wavetable SW Synth」はカットオフに対応していないため、別のDAWソフトで比較音源を作成しました。音色の違いを聴いてみましょう。

カットオフ設定:有りと無しの比較

カットオフ設定の有無を比較した音源です。最初の音源はカットオフを設定していないため、高音域がカットされず、明るい音色になっています。

次の音源はカットオフを「30」に設定しているため、高音域がカットされ、暗くこもった音色に変化しています。

 

レゾナンス


レゾナンスはカットオフ周辺の音を強調するパラメータです。音色に鋭さや独特の響きを与え、フィルター効果を際立たせます。

レゾナンスの値を「0」に設定すると、音色は変化しません。値を上げると、カットオフ付近の音が強調されて、音色が変化します。

 

ただし、Dominoで使用する「Microsoft GS Wavetable SW Synth」は、レゾナンスに対応していません。この機能を使う場合は、外部音源やソフトシンセの追加が必要になります。

 

「Microsoft GS Wavetable SW Synth」はレゾナンスに対応していないため、別のDAWソフトで比較音源を作成しました。音色の違いを聴いてみましょう。

レゾナンス設定:有りと無しの比較

カットオフを「60」に設定し、レゾナンスの有無を比較した音源です。最初の音源はレゾナンスを使用していないため、カットオフ値から高音域が抑えれたシンプルな音色になっています。

次の音源はレゾナンスを「90」に設定しているため、カットオフ周辺の音が強調されて、音に独特の響きや特徴が加わっています。

 

マスターボリューム


マスターボリュームは楽曲全体の音量を一括で調整するパラメータです。トラックごとのボリュームとは異なり、すべての音をまとめて調整します。

 

マスターボリューム設定:有りと無しの比較

3つのトラックでマスターボリューム設定の有無を比較した音源です。最初の音源はマスターボリュームを設定していないため、各トラックの音量が初期値の「127」で再生されます。

次の音源はマスターボリュームを「67」に設定しているため、全体的に音量が下がっています。

 

 

まとめ

今回はイベントグラフペインの各機能の使い方を詳しく説明し、コントロールチェンジの効果についても順に紹介しました。

イベントグラフペインを使えば、単調なMIDIデータに豊かな動きや表現を加えることができます。この記事で学んだことを活かして、実際にMIDIデータを編集してみましょう。

 

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